日々の小さな日常にイノベーションを起こす

“ワンマイル・イノベーション・カンパニー”企業を目指し事業を展開する株式会社ONE COMPATH

弊社が経営改革支援をさせていただいている、株式会社ONE COMPATHは、地図サービス「マピオン」、電子チラシサービス「Shufoo!」などのサービスを携え、日々のお出かけや買い物など日常をもっと楽しく、便利に「導く」ことを目的に活動されている企業です。今回のインタビューでは、激変する社会環境の中で、凸版印刷からスピンアウトし2019年4月1日に誕生した株式会社ONE COMPATHで社長を務められている早川 礼氏に今の想いや今後の方針、そして企業としてまた早川氏個人として目指されていることなどを伺いました。

早川 礼(はやかわ れい)

2000年、凸版印刷株式会社に入社。営業を経験したのち、2006年に株式会社BrandXing(現博報堂ダイレクト)へ出向。2011年に凸版印刷に帰任してからは電子チラシサービス「Shufoo!」事業に携わり、2019年4月より株式会社ONE COMPATH代表取締役社長に就任。

 


Q.御社の仕事について教えてください。

 株式会社ONE COMPATHは、凸版印刷がBtoBの事業をメインに展開している中で、BtoC領域のインターネットサービス事業に注力する企業です。当社は日常の生活行動圏(=ワンマイル)に注目し、お出かけ、買い物、育児、教育といった日々の暮らしそのものにフォーカスをあて、ひとつひとつの改善と変化を積み重ねながら人々の暮らしに寄り添う様々なサービスを生み出し続け、ひとつの社会のコンパスになるという想いを胸に活動しています。

 

Q.凸版印刷からスピンアウトしたその背景について教えてください。

 凸版印刷の主力であるBtoB領域に加え、BtoC領域を強化して社会の変化に合わせたデジタルトランスフォーメーションを推進する必要性がある、という凸版印刷の考えがありました。その中で、約20年続くサービスである「Shufoo!」や「Mapion」を成長させるためには、素早い意思決定の中で事業を行ったほうが伸びていくという判断があり、BtoC領域に主力を置く当社が誕生しました。

 

Q.1年の中でインターネットサービス業界ではどのような変化がありましたか?

 変化を感じるところとしては、新しいサービスを生み出す企業が減り、時短などの効率化や省力化に主眼をおいた企業が増えているという点ですね。例えば数年前までは動画レシピなど、新しい事業を展開する企業が多くありましたが、去年はとても少なかったと感じています。また、出展・広告企業などのクライアント様も、販促活動や人件費などを効率化したいと考えている傾向が強いと感じます。これによって、新たなサービスを生み出すための投資などが難しくなっているように思うのです。効率化はもちろん大切ですが、攻めの姿勢も重要なので、当社としても一方に偏った事業を展開するのではなく、効率化と新サービスの創出を両立して行っていく必要があると常々感じています。

 

Q.会社設立から間もなく1年を迎えられますが、今後の課題とその解決策について教えて下さい。

 当社は新しいものを作っていく集団であり続けたいと常に考えていますが、自らも含め社内への意識づけがまだまだ足りていないと感じています。新しいものを生みだすための仕組みづくりはもちろん、新しい事業を行っていく姿を社員に見せていき、意識を高めていきたいと考えています。

 

Q.社長になって感じることはどのようなことでしょうか?

 24時間365日働いている印象ですね。かといって苦痛というわけではなく、常に新たな「風」と出会うことを求めています。社長になって良かったと思うことは外部の経営者と話す機会が増えたことです。名刺を渡した後もそれっきりではなく、継続して話す機会があり、それらの貴重な出会いが私にとってかけがえのない財産となっています。

 

Q.凸版印刷という大企業を経験されてきた中でベンチャー企業の社長になって気づいたことはどのようなことがありますか?

 熱意と信念をもち続け、それを社員に伝える難しさと大変さを今の立場になってようやく気づきました。一定の枠内で会社や部門の方針に従っていた凸版印刷時代に比べ、仕事のすべてが自分事となり、責任感や当事者意識を感じると同時に、それらの気づきを社員に広げ、伝えていく難しさも痛感しました。私自身創業者でもプロ経営者でもない中で、自分がどれだけやれるのか、常にチャレンジャー精神をもって取り組んでいきたいです。

 

Q.大企業、ベンチャー企業それぞれの特徴について教えてください。

 まずベンチャー企業の良いところは何といっても勢いがあるところです。事業に対する強い想いをもった社長が中心にいて、志に共感できる人が集まって何かを成し遂げようと行動する。非常に純度の高いコミュニティーが形成されている点が素晴らしいと思います。一方、金策で大変苦労するということをよく聞きます。私の立場からはあまり言えることではありませんが、常に利益を生み出すために動き続けなければならないところは、やりがいがあると同時に厳しいと思う点かもしれないですね。

 大企業の良いところは社員同士の思考が近いことではないかと思います。会社が号令をかければ社員が一致して動き、大きな波を作れるところは最大の長所だと思います。一方で決定や方針変更など、機動力に課題がある企業が多いように感じます。

 

Q.ベンチャー企業の社長というチャンスを与えてくれた会社に恩返ししたいことはなんですか。

 スピンアウトによって誕生した企業の社長として、当社を設立したことが間違いではなかった、と証明することですね。それによって第2、第3のスピンアウト企業が生まれ、新たな事業が展開することにもつながるため、それが最大の恩返しになるのではないかと考えています。会社も相当な覚悟をもって判断してくれたのでこちらも相当な覚悟をもって取り組みたいと常々思っています。

 

Q.社長として、社員にどのような人材になってほしいと考えられていますか?

 仕事をする喜びを感じ、当事者意識をもってどのようなことにでも恐れずチャレンジする人間になってほしいですね。また、自分も社長になりたいと感じる社員を増やしたいと考えています。私自身、ポジションの変化によってたくさんの気づきを得ることができましたし、社長になる前となった後では、筋肉や脳細胞を使う量がまるで変わったと実感しています。苦しいこともありますが、社長になることによって得られるやりがいや充実感を是非皆にも味わってほしいと感じています。

 

Q.御社における弊社の役割とご感想をお聞かせください。

 私が社長に就任した当時、社長とはなにかということに常に悩んでいました。私はロールモデルとなる方を見つけて動くタイプの人間ですが、身近に社長を経験した方があまりいなかったので、何が正解で何が不正解かわからず、完全な手探り状態でした。鈴木社長は社長経験もさることながら、大企業、ベンチャー企業問わず様々な経験をされてきたご経歴があり、どのような状況下でも適格なアドバイスを瞬時にいただけるため大変感謝しています。 弊社はデジタルトランスフォーメーションを推進する役割も担っているため、数多くの企業のデジタルシフトに貢献されてきた、デジタルシフトウェーブさんには引き続き知見をお貸しいただきたいと考えています。

 

Q.早川さん自身が考える今後の展望について教えて下さい。

 私自身が先頭に立ち、社員とともに新しい事業を生み出し、その事業で今以上の規模を作りたいと考えています。3年後や5年後に「ONE COMPATHは新しい文化を作った」と社内外から認められるようになることが目標であり、達成しなければいけないものであると感じています。またこの1年は新しいことばかりで戸惑いも覚えましたが、2年目は落ち着きを得て、3年目には今よりもっと自分を出していきたいと思います。

 

Q.10年後個人としてどうありたいですか?

 経営者であり続けたいですね。今は諸先輩方が残されてきた事業や文化をベースに、様々なことに取り組んでいますが、10年後は自分自身がベースを作る立場になることを強く望みます。

 

 鈴木)御社は、凸版印刷様という大手企業からスピンアウトし設立した企業であり、大手とベンチャー、二つの側面を持つ会社です。私自身もそうでしたが、大手企業での就業経験と現企業での社長経験を積まれている早川様のご経験は今後貴重な財産となっていくものと感じています。私は大手とベンチャーの二つの側面を持った貴社が今後どのように推移していくか大変注目しております。早川様が今後事業を展開する中で、私自身の経験やノウハウを基に、精いっぱいご支援させていただきたいと思っております。今後とも、デジタルシフトを推進する責務を負った仲間としてまた良きパートナーとして、引き続きよろしくお願いいたします。